コラム

2019-1-31
澤山乃莉子監修 インテリアコラム
第13回「憧れの国、JAPAN」

皆さんこんにちは。【世界的インテリアデザイナーを日本でコミッション】インテリアプロデュース協会、BABIDです。
代表の澤山乃莉子が20年余りのロンドン生活で学び、構築してきたインテリアセオリー・ライフスタイルについてお話していこうと思います。

2月に入りだいぶ日も伸びて来ました。こちらはBABIDスタッフが山梨に行った時の富士山の写真。
燐とした佇まいです。日本人のみならず、世界中の人を魅了します。
誰もが愛する日本のシンボル、富士山。絵や屏風に描かれることもしばしば。

澤山乃莉子監修インテリアコラムインテリアデザインプロデューサー澤山乃莉子監修のインテリアコラム
RSVP22号「プロフェッショナルに学ぶビジネス哲学」より『琳派による屏風』

と、いうことで今回のテーマは日本の伝統工芸。
世界が熱狂した「ジャポニズム」の歴史をたどっていきたいと思います。まずは貿易史を確認してみましょう。

紀元前5世紀、弥生人によって稲作の技術が、その後西暦4年ごろには遣隋使・遣唐使によりさらに多くの文化的技術(陶磁器製作の技術など)が持ち込まれます。日本大陸の外との接触はここから始まりました。そして平清盛による日宋貿易、足利時代には勘合貿易が行なわれ、16世紀に行なわれた朱印船貿易ではイギリスとの交易も開始されました。その時、世は欧米諸国による大航海時代・・・
かの有名なマルコポーロの東方見聞録で日本は「黄金の国ジパング」と評され大絶賛されています。
(諸説ありますが、当時の工芸レベルが何らかの形で伝わったことは確かでしょう)


※写真はイメージです

鉄鉱石に乏しい島国日本では、限りある資源を職人の手仕事によって有効活用する必要がありました。
そのため銅と鉄の品質は世界最高峰!また同じ理由で紙の技術も優れていました。
その後鎖国により、日本の貿易はオランダにのみ許されることとなります。
それを行なったのが世界初の貿易会社「東インド会社」です。この、南蛮貿易では「伊万里・鍋嶋・薩摩・九谷」などの陶磁器が多く欧州へ渡りました。
またフランスのルイ14世、16世、王妃マリーアントワネットなどは蒔絵をインテリアに取り入れ自室を飾りました。

 ©NORIKO SAWAYAMA NSDA
澤山乃莉子HOUZZhttps://www.houzz.jp/projects/1343945
洋空間のダイニングにも、九谷焼のグラスを

その後明治維新により日本は開国、交易の間口が広がります。1862年にはロンドン万博が開催され欧州におけるジャポニズム流行の火付け役となりました。そして1867年にはパリ万博が開催されます。ここでは江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩がそれぞれ出展。左右非対称なロココの感性とマッチしブームを加速させます。1873年のウィーン万博はジャポニズム大流行の真っ只中。万博を通し、様々なデザイナー・芸術家が日本の美に影響をうけました。欧州用のサイズやテイストに合わせた工芸品も多くつくられています。

キュレーションホテル熱海桃乃屋庵の江戸時代につくられた長崎螺鈿のキャビネット
熱海桃乃八庵にあるこちらのキャビネット。
江戸時代につくられた長崎螺鈿のキャビネットですが、
脚の部分は・・・日本のエレメントではありませんね。

その他にも、例えばウィリアムモリス。

 
ブリティッシュベーカリーWhimsy(ウィムジー)
自然をモチーフにパターン化したモリスのデザインには日本の伊勢形紙の流れを汲むことも出来ます。

印象派の絵画からもスタイライズされた浮世絵の手法を見ることが出来ます。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ドビュッシー交響曲「海」の表紙

また、戦後には安藤忠雄氏のシンプルで洗練されたラインと素材が世界を魅了。
ZENの精神を表現しジャパニーズモダニズムの代名詞となりました。

こうして古代からの歴史をたどると、日本の伝統工芸や建築、感性が世界で大きな評価を得てきたことは言うまでもありません。
しかし現状を省みると、私達日本人による理解はまだまだです。

過度なモダニズム賛美だけでは日本の住宅・インテリア業界の将来を担うことは出来ませんね。

安土桃山的な絢爛豪華・雅な世界/引き算の表現でわびさびを感じる世界

この両方を享受していただきたいと切に願います。
日本人としての知見を広げるため、ぜひ澤山塾で学んでみて下さい。

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東京オリンピックもいよいよあと1年半ちょっと!(第2回「オリンピックとインテリア」
世界の目が日本に向けられるその日まで私達には何ができるのでしょうか?
伝統工芸品やその歴史を理解し、使用して、楽しむこと。それが答えの一つではないかと思っています。

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